2013年6月30日日曜日

次のステップ


あっというまに1月が経とうとしている。ブルガリアの旅についての話は、しばらくない。とりあえずは、〆切を過ぎてしまった仕事に追われながら、最近いただいた食べ物の写真を載せる(ごめんなさい、ごめんなさい・・・先ほど終了しました。)
 
 現実逃避といわれるだろうが、うまかったなあ。



マンゴーのヨーグルトショートケーキ
コーヒーと合うんだな、これがまた・・・

さくらんぼ(佐藤錦!)



2013年6月9日日曜日

帰国、そして思いつくことなど


 6/5、無事成田に帰国した。帰りの便は空いていて、3列シートを一人で独占した。まるでビジネスクラスのように*横になれたのは幸運だった。ブルガリアでの短くも凝縮された日々を思い起こすと、日本に帰りたいような帰りたくないようなそんな複雑な気持ちになる。まあ、帰ってしまえばまた日本での現実があるわけで、そんなことは考えていられなくなるわけだが。

*そういえば、一度だけビジネスクラスにのったことがある。これもまたロンドンを往復していた頃の話だが、英国航空ロンドン行きの搭乗口は多くの人でごった返していた。今回はいつもよりしんどいフライトになるなあとおもっていたところ、なぜか搭乗口のチケットを確認するあたりがざわざわしている。自分の番になった。「いつもより広めのお席を用意させて頂きました!」と。ビジネスクラスに案内され、ウェルカムシャンパンから始まる優雅な旅となった。フルフラットのシートは至極快適、供される食事はフルコース。欲張りな私は、デザートにケーキとチーズが選べてどっちも頼んでしまったっけ。こんな体験がまたいつかできるといいなあ。



おいしいものをたべること

 ブログを見てくれた複数の学生が指摘してくれたことだが、私のブログには食べ物の写真や記事が多いと思う。おいしいものを食べることは、私にとっては大げさにいうと人生のとても大切な部分なのだが、その手段として、このところできるだけネット**を使わないで街をうろついてお店を探すようにしている。去年だったか、これを池袋でやったところ、食べログにもろくに評価されていない担々麺の店を発見した。店の主人とも仲良くなって、今年は新年会もそこで開いた。
 
 **春に関わった研修会で、ネット依存の話をしたことがある。アメリカではネット依存が深刻な精神疾患としてとらえられているという報告があり、我が日本でも先進的な試みとして、ネット依存を専門にした外来が出来たということ。そうでなくとも、ネットは私たちの生活を大きく変えてしまっている。それに対して、いかに主体的に関われるのか、ということが、課題である、そんなの当たり前なんだけど。

 ブルガリアの食は、正直まだまだわからない。今回は一連の日程の中で、(行事も食も)決められたメニューをこなしたに過ぎない。本当は自分でレストランを選び、周りのテーブルで何がうまそうか見たり、メニューを見たりして、きめて理解していくのだろうと思う。そうした中で、とてつもなく美味なものと出会うことができる。また、そのこと自体とてもうれしいことである。



 お肉は、ずっと食べ続けていると食傷気味になったが、日本よりもしっかり焼いていて肉そのものの味を楽しむことができた。もっとかんだ方がいいよ、日本人とでもいっているようだった。また、デザートにヘタを取ったイチゴがそのまま出されたことがあったが、これも素朴に甘くおいしかった。遠くで日本のとちおとめや、とよのかを教えてやればよいという声も聞こえた気がしたが、私はこちらのほうが野性味があっておいしいと思うし、教えてやればいいというのはちょっと傲慢だと思う。



 その土地にはその土地の味があるのだ。そしてそれは大げさに言えば、人々の記憶と結びついているのだ。逆に、日本の食べ物は作り込みすぎているのではないか、と思うのである。私たちの記憶にもその作為が影響しないことを心から望む。

ワイン・ヨーグルト・コーヒー

 こうしたブルガリアの食の中で、今回もっとも印象に残ったのは、ヨーグルトよりもワインである。とりわけ夜いただくブルガリア産の赤ワインは非常においしかった。私はワインにはそれほどくわしくないが、それでもおいしいかおいしくないか位はわかると思う。日本ではまだ十分に認知されていないが、今後人口に膾炙していくと思う。



 ヨーグルトについては、いうまでもなくおいしかった。そして毎食でてきていた。そのおかげで旅行中、つかれはしたものの体調がよかったのだろうと思う。ブルガリアのヨーグルトは日本のものとは味が違うのですか?という質問を何人かの方々から受けたが、私の印象では普段食べるものは、明治のあのブルガリアヨーグルトそのものであるように思えた。

 一方、水牛のヨーグルト(シプカ峠で食べた)は、よりきめ細かい舌触りだった。豆腐でいえばいつものヨーグルトが木綿豆腐、水牛のヨーグルトが絹ごし、というような。乳脂肪分が7%以上あるから、そうなるらしい。羊の乳のヨーグルト、山羊のヨーグルトは今回食べることができなかった。次回を期そう。

 もう一つ、コーヒーはどこでもおいしく感じられた。基本的にはエスプレッソにミルクをたっぷり入れるものが多く、濃いめのコーヒーを飲んでいた。一方、日本から持って行ったコーヒーは、部屋にお湯がないという事態に直面し、いれることができなかった(この旅行中、部屋にポットがあったのはウィーンのホテルだけだった)***。結局ソフィアの最終日に、非常食のカップ麺3つ、洗剤と一緒にゲオルギに無理矢理もらってもらった。やはり郷に入っては郷に従えか。

***いろいろと教えて頂いた京都さいふぉん亭のYさん、ごめんなさい。



Wifi

 持ち物のところでパソコンを持って行くのは無粋だというようなことを書いたが、今回は、ほとんどパソコンを使わなかった。いや、ブログ更新という意味では使っていたのだが、日中はほとんどパソコンを開かなかった。もっともブルガリアのホテルではスタラザゴラ以外の全てのホテルでWifiが部屋にまで完備されていて、日本とまったく変わりなくネットができてしまった。そうなるとやはり旅の情緒などない。とはいいつつも、せっせと返信してしまう私がいたりするわけである。

 夜も更けた。まだまだ書き足りないことがたくさんある。次は今回の旅で集まった情報を思いつくままに書きたいと思うのだが、予告してしまうといつだったかのパンのように挫折してしまうかもしれない。でも、ブルガリアでどんな発見をしたのか、だけじゃないブルガリアは、私にとっては何だったのか、ということは書いておかねばなるまい。

とはいえ、次のテーマは次の風に任せようと思う。

大学裏手の赤城山

 


2013年6月7日金曜日

フロイトとウイーン


6/4火曜
 
 訪問団と別れ、大学訪問団3人はウイーンに滞在した。ウイーンは生憎の雨だったが、国立図書館、ウイーン大学をまわった。

 ウイーン中心部は、これでもかという荘厳な作り。ヨーロッパの歴史的建造物の宝庫である*。ウイーン大学は街の中心部にあり、国会議事堂、市庁舎と並んで建っている。

 ウイーン大学正門
だれぞ腕を組んで立っている。

 入ると左側にネームプレートが。
多大な業績を上げた人物のリストかな・・・。

 「?」がいい。
次は君の番だ!というところか。
 回廊
著名な学者の胸像が並んでいる
 中庭

 あれ?フロイド先生!
フロイド先生、心なしか不機嫌。ウイーンでは最初あまり評価されなかったものね。


 階段教室
スクリーンは白い壁

 図書館

大学内のカフェ
教室をのぞく

オーストリア国立図書館
こちらは文化財としての見学も可能→ここ

ただ、ただリッチ。ハプスブルク家恐るべし。


見学者一同、唖然としているかのよう。







子どもたちが見学に来ていた
日本に図書館を見学するコースがあっただろうか。

 今更ながらおもうことだが、このように展示されている本の保存状態は大丈夫なのだろうか。大英図書館にもこうした荘厳な本棚に豪華な本がならんでいたが、それは完全にガラス張りの保護状態だった。入場料7ユーロもとるのだから、杞憂なのかもしれないけれど。
 
 ちなみにオーストリア国立図書館は15歳以上のものであれば有料で誰でも使えることになっている→ここ。しかも年間パス(10ユーロ)と1日パス(3ユーロ)というものがあり、利用者に優しい。昔、大英図書館の利用証をつくったことがあったが、あのときは研究者であることの証明とか、利用文献とか、証明写真とかいろいろとやっかいだった記憶がある。

*ウイーンの建築についてはオーストリア政府観光局のページが役に立つかもしれない。

2013年6月4日火曜日

情熱の。


 私の世代でバラといえば、それは「情熱のバラ」だったわけだが、多くの学生たちが知るよしもない。まだカラオケボックスもほとんどない頃、サークルの先輩に連れられてカラオケスナックの怪しげなステージで喉をからした記憶がある。それはともかく、ブルガリアと前橋を結ぶバラである。バラはブルガリアの国の花、そして前橋市の花。
 
 今回は、ヴェリコ・タルノヴォから3時間ほどバスに揺られ、カザンラクという街のバラ祭りを見に行った。以下、日本語ガイド・ゲオルギさんの説明を参考に簡単にまとめてみる(後でもう少し正確にまとめたい)。
 
 バラは、午後に雨が多いこの場所では、花びらに含まれるローズオイルが揮発しないので、より上質のオイルをたくさんとることができる。ローズオイルは上質の地下水を使って蒸留して精製する。3トンのバラの花で1キロのオイルがとれる。この時期に天気がよすぎると、1キロのオイルをとるために4トン以上の花を必要とするときもあるようだ。今年のカザンラクは例年よりも暖かく、早くからバラが咲いてしまってあまり残っていない。

 今回の旅はバラ摘みが目的ではないが、さんざん周囲に伝えてきた手前、バラを摘まなかったではまずい・・・。畑に行くと、村の子どもたちが出迎えてくれる。Tさんのリクエストに応えて、男性の衣装はこんな感じでした。ちなみにTさんがバラ祭りについてこんなページを教えてくれた。癒されるんだ・・・。いえ、ただのバラ摘み競争でした(笑


男の子たち。私たちに気付くと照れながら手を振ってくれた。

 あれ?バラ摘みの写真をさがしていたら、私の勇姿をとった写真が見当たらない。また見つけて追加します。

こういうかわいらしい女の子がたくさん迎えてくれた。






ほとんど咲き終わってます



バラ祭りにあわせて出店が一杯でている。
オウムとオウムのようなおじさんが、子どもをおそっている図(笑)
市内中心部でのパレードの様子
今年のバラの女王とのこと。でもどの子?
今年この地域の高校を卒業する女性の中から選ばれるとのこと。
このあと、1時間にわたって地域の様々な団体が参加してました。この様子も興味深いので後ほど。


バラ詰みを追えて、お昼ご飯。
ブッフェ方式でした。食べているとなまはげみたいなのが乱入してきたのだが
カメラの電池がきれてしまった。


ソフィアへの帰路、電柱の上にコウノトリの巣を発見。
雛が3羽いた。どうしてわざわざ電柱の上に?

 いよいよ旅も終盤。6/3はソフィアからウイーンに移動する。


2013年6月2日日曜日

日本文化祭(6/1)


 6/1土曜
 
 日本文化祭当日。昨日の雨とは打って変わってよい天気。10分ほど遅れてオープニングのデュオ。歌いきった。


 小泉駐ブルガリア大使の挨拶。私の記憶ではブルガリア語だった気がする。日本語通訳を大使館の方がされていたはず。



 言語学部長の挨拶(この頃からトイレに行きたくなり、挨拶が終わったら席をたった)


一応、私。ブルガリア人の日本に対するイメージというところで、アニメをだしたら反応が大きかった。そういえばアニメ好きっぽい雰囲気を醸している学生たちも結構目に付いたし、そういうことなんだろうな。アニメの力を改めて思い知らされた。それにしても、なぜか鞄をたすき掛けにして発表している!ああ、はずかしい。



淡嶋さんの極真空手の演武
学生たちが目を輝かせていた。

お昼は琴欧洲のご両親とお食事をしてから、スタラザゴラに移動。7時前に到着。今回の旅はバスでの移動が多い。団体旅行ってこんな感じだったか。

*琴欧洲のお父さんと手の大きさ比べをしたら、私の手の2倍くらいあった。お相撲さんみたいな大きな方だった。写真はあとで。


 夕食は屋外で食事。
バーベキューがあまりに肉が多くて参った。このほか、初日にも食べたショプスカサラダ、
マッシュルームとベーコンにチーズをかけて焼いたものなど。地ビールがおいしかった。

 現在、6/2日曜朝7時。朝はオムレツとパン、コーヒー。バターがほしいといったら、業務用のマーガリンが出てきた。いよいよこれからバラ祭りに向かう。

ヴェリコ・タルノヴォ大学訪問(5/31)

5/31金曜朝、強い雨のふる中、ヴェリコ・タルノヴォ大学を訪問した。いろいろとあったが関係の方々のご尽力で無事学術交流協定が締結された。とても喜ばしいことである。ただ、このブログの趣旨はあくまで「だけじゃない」ブルガリアを見つめることにある。それで学術交流協定についてはここをみてもらいたい。

 大学の日本語学科を訪問した(学科の概念が日本と違うような気がするのだが、その辺はともかく)。キリル文字一杯の世界で突然日本語がみえた。なぜかほっとする。このとても日本っぽい字は、だれが書いたのだろう。


助教のマギー先生(写真中央)、日本語センター長のカーテャ先生(右)
 日本語学科は3人のブルガリア人の先生と2人の日本人教師が担当している。当たり前なのだが、非常に流ちょうな日本語。マギー先生は私よりも綺麗な日本語を話す。カーテャ先生は非常に愛嬌がある先生。

日本語センター
歌麿?
想像よりずっと本がそろっている


 図書などは比較的そろっている印象を受けた。一方で話題になったのが、ブルガリアに荷物を持ち込む際の難しさ。いくつか他のブログも見たが、一定の価格以上のものはブルガリア国内に持ち込む際に関税がかかってしまうらしい。日本とブルガリアの物価差もあり、なにか荷物を送る際には細心の注意が必要なようだ。

明日の日本文化祭で売る手巻き寿司を作成中
 明日6/1土曜は大学の文学部主催で第19回日本文化祭が開催される。私たちも発表をするのだが、彼らは当日販売する海苔巻きをつくっていた。精米の技術がまだ十分でないのか、お米に含まれているゴミを丁寧に取り除き、ご飯を炊き、卵焼きをつくり、ツナをきって海苔巻きを巻く。4きれ?で2レバ(1レバ約70円)。

ちなみに当日は大盛況だった(写真がない・・・)。日本語学科の人たちが私たちの分をとっておいてくれたので、彼らの気持ちを受け取っておいしくいただきました。

お米を丁寧に選別している
そうか、そうなのか・・・

すしの材料
近くの中華食材店で買ってきたとのこと。

 

 日本語センターの外で、学生2人が文化祭のオープニングで歌う日本の歌を練習していた。最近の歌の様な気がしたがなにを歌っていたのかはわからないが、懸命に歌う姿がほほえましかった(念のためですが日本語は綺麗です。私がただ単に知らないだけです)

 外に出ると、来るときは雨だったのにいつの間にか晴れていた。芝生の向こうをみると、キリルとメトディーの銅像を発見(わかります?)。おくのグレーのドームは、建設中のチャペル。予算がなくて建設が中断しているらしい・・・。完成したら学生たちが内部に絵を描くらしいのだが、いつ完成するのだろうか。これもブルガリアっぽいことのようだ。


 大学からヴェリコ・タルノヴォの街を眺める。 思えば遠くに来たものだ。




※現在、6/2日曜の午前3時半。変な時間に目が覚めてしまった。今日はバラ祭りの日。滞在先のスタラザゴラからバラ祭りの行われるカザンラクへ移動する。