2013年6月9日日曜日

帰国、そして思いつくことなど


 6/5、無事成田に帰国した。帰りの便は空いていて、3列シートを一人で独占した。まるでビジネスクラスのように*横になれたのは幸運だった。ブルガリアでの短くも凝縮された日々を思い起こすと、日本に帰りたいような帰りたくないようなそんな複雑な気持ちになる。まあ、帰ってしまえばまた日本での現実があるわけで、そんなことは考えていられなくなるわけだが。

*そういえば、一度だけビジネスクラスにのったことがある。これもまたロンドンを往復していた頃の話だが、英国航空ロンドン行きの搭乗口は多くの人でごった返していた。今回はいつもよりしんどいフライトになるなあとおもっていたところ、なぜか搭乗口のチケットを確認するあたりがざわざわしている。自分の番になった。「いつもより広めのお席を用意させて頂きました!」と。ビジネスクラスに案内され、ウェルカムシャンパンから始まる優雅な旅となった。フルフラットのシートは至極快適、供される食事はフルコース。欲張りな私は、デザートにケーキとチーズが選べてどっちも頼んでしまったっけ。こんな体験がまたいつかできるといいなあ。



おいしいものをたべること

 ブログを見てくれた複数の学生が指摘してくれたことだが、私のブログには食べ物の写真や記事が多いと思う。おいしいものを食べることは、私にとっては大げさにいうと人生のとても大切な部分なのだが、その手段として、このところできるだけネット**を使わないで街をうろついてお店を探すようにしている。去年だったか、これを池袋でやったところ、食べログにもろくに評価されていない担々麺の店を発見した。店の主人とも仲良くなって、今年は新年会もそこで開いた。
 
 **春に関わった研修会で、ネット依存の話をしたことがある。アメリカではネット依存が深刻な精神疾患としてとらえられているという報告があり、我が日本でも先進的な試みとして、ネット依存を専門にした外来が出来たということ。そうでなくとも、ネットは私たちの生活を大きく変えてしまっている。それに対して、いかに主体的に関われるのか、ということが、課題である、そんなの当たり前なんだけど。

 ブルガリアの食は、正直まだまだわからない。今回は一連の日程の中で、(行事も食も)決められたメニューをこなしたに過ぎない。本当は自分でレストランを選び、周りのテーブルで何がうまそうか見たり、メニューを見たりして、きめて理解していくのだろうと思う。そうした中で、とてつもなく美味なものと出会うことができる。また、そのこと自体とてもうれしいことである。



 お肉は、ずっと食べ続けていると食傷気味になったが、日本よりもしっかり焼いていて肉そのものの味を楽しむことができた。もっとかんだ方がいいよ、日本人とでもいっているようだった。また、デザートにヘタを取ったイチゴがそのまま出されたことがあったが、これも素朴に甘くおいしかった。遠くで日本のとちおとめや、とよのかを教えてやればよいという声も聞こえた気がしたが、私はこちらのほうが野性味があっておいしいと思うし、教えてやればいいというのはちょっと傲慢だと思う。



 その土地にはその土地の味があるのだ。そしてそれは大げさに言えば、人々の記憶と結びついているのだ。逆に、日本の食べ物は作り込みすぎているのではないか、と思うのである。私たちの記憶にもその作為が影響しないことを心から望む。

ワイン・ヨーグルト・コーヒー

 こうしたブルガリアの食の中で、今回もっとも印象に残ったのは、ヨーグルトよりもワインである。とりわけ夜いただくブルガリア産の赤ワインは非常においしかった。私はワインにはそれほどくわしくないが、それでもおいしいかおいしくないか位はわかると思う。日本ではまだ十分に認知されていないが、今後人口に膾炙していくと思う。



 ヨーグルトについては、いうまでもなくおいしかった。そして毎食でてきていた。そのおかげで旅行中、つかれはしたものの体調がよかったのだろうと思う。ブルガリアのヨーグルトは日本のものとは味が違うのですか?という質問を何人かの方々から受けたが、私の印象では普段食べるものは、明治のあのブルガリアヨーグルトそのものであるように思えた。

 一方、水牛のヨーグルト(シプカ峠で食べた)は、よりきめ細かい舌触りだった。豆腐でいえばいつものヨーグルトが木綿豆腐、水牛のヨーグルトが絹ごし、というような。乳脂肪分が7%以上あるから、そうなるらしい。羊の乳のヨーグルト、山羊のヨーグルトは今回食べることができなかった。次回を期そう。

 もう一つ、コーヒーはどこでもおいしく感じられた。基本的にはエスプレッソにミルクをたっぷり入れるものが多く、濃いめのコーヒーを飲んでいた。一方、日本から持って行ったコーヒーは、部屋にお湯がないという事態に直面し、いれることができなかった(この旅行中、部屋にポットがあったのはウィーンのホテルだけだった)***。結局ソフィアの最終日に、非常食のカップ麺3つ、洗剤と一緒にゲオルギに無理矢理もらってもらった。やはり郷に入っては郷に従えか。

***いろいろと教えて頂いた京都さいふぉん亭のYさん、ごめんなさい。



Wifi

 持ち物のところでパソコンを持って行くのは無粋だというようなことを書いたが、今回は、ほとんどパソコンを使わなかった。いや、ブログ更新という意味では使っていたのだが、日中はほとんどパソコンを開かなかった。もっともブルガリアのホテルではスタラザゴラ以外の全てのホテルでWifiが部屋にまで完備されていて、日本とまったく変わりなくネットができてしまった。そうなるとやはり旅の情緒などない。とはいいつつも、せっせと返信してしまう私がいたりするわけである。

 夜も更けた。まだまだ書き足りないことがたくさんある。次は今回の旅で集まった情報を思いつくままに書きたいと思うのだが、予告してしまうといつだったかのパンのように挫折してしまうかもしれない。でも、ブルガリアでどんな発見をしたのか、だけじゃないブルガリアは、私にとっては何だったのか、ということは書いておかねばなるまい。

とはいえ、次のテーマは次の風に任せようと思う。

大学裏手の赤城山

 


2 件のコメント:

  1. 日々の生活の中で凹んだり疲れたり、すごく嫌なことがあっても美味しいものを食べるとどうでもよくなってしまうあたり、食って大事だなぁと思うことはぼくも多いです。
    そんな訳で来週のゼミでは色んなお話が聞けることを楽しみにしております!

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    1. そうですね、食はモード切替のスイッチみたいになることもありますね。
      ただ、あまりそれをやっていると私みたいにメタボになりますので要注意!

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