2013年5月17日金曜日
ヨーグルトがあって・ない話
食が気になる。普段から頭の半分くらいは食なのだが、ブルガリアの食が気になって、慌てて本を読んだ*。早速、食関連の本をひもといた。ひとつは馬路泰蔵・馬路明子著(2012)「ミルクを食べる 肉を食べる」風媒社。もうひとつは月刊食生活編集部編(2013)「ヨーグルトと暮らす人々」カザン**。ともにブルガリアに直接取材して書かれている。さて、勉強の成果はいかに*。
ブルガリアにはヨーグルトがない。
ブルガリアにはヨーグルトがない。キセロムリャコ(酸っぱいミルクの意)と呼ぶ。ヨーグルトと呼ばないのだ。ブルガリアの一般家庭で、ヨーグルト、ヨーグルトと会話が楽しげに交わされていると妄想していた私は、なんだかだまされた気分だ。ちなみにヨーグルトという呼び名はブルガリアのお隣のトルコでyoğurt(ヨールトと発音するらしい)と呼ぶことが起源のようだ。つまり日本でヨーグルトと呼ぶのは、こちらのトルコ系の流れをくんでいるらしいが、どうして日本にこのヨーグルトという呼び名が伝わったのかはわからなかった。
さて、気分を取り直して、キセロムリャコと呼んでみる。復唱してみる。呪文のように聞こえないでもないが、それはそれで新しいイメージを描けそうな気もする。ヨーグルト=デザートという公式から解き放たれる気もしないでもない。よし、キセロムリャコ。
キセロムリャコには、牛・水牛・羊・山羊の乳からつくるものがある。古くから各家庭でキセロムリャコを作っており、デザートだけではなく、様々な料理に使う素材の位置づけ。ある家庭での消費量は1日3リットルにもなるというが、本では統計的な資料はみつからなかった。だとしても、そもそも冷蔵庫の一番下の部分がキセロムリャコ専用というのだから、消費量の多さはおおよそ想像がつく(だいぶ、言い慣れた)。
そしてブルガリアですることが一つ増えた。キセロムリャコの食べ比べ。水牛のは明らかに苦手そうだが、大丈夫か、俺。
次はパンの話をしたい。
*実は今回の件があったのでちょっと前に図書館にお願いした。Mさん、Fさんというお二人の司書さんにそろえていただいた。また本のリストアップについてはこれまたXさんはじめとする方々にご尽力いただいた。この場を借りて深く感謝します。
**「ヨーグルトと暮らす・・・」のほうを読んでいたら、家にペチカ(薪式オーブン)があるという記述があった。ふとドリフターズの一場面を思い出した。ドリフの面々が合唱団の制服を着て並んで「雪の降る夜は〜、たのしーいーぺーちかー♪」と歌う。つづけて志村けんや加藤茶が替え歌にしてずっこける。今考えると古典的なギャグなのだが、楽しかったな。中年おやじ風にくだをまくと、学生にはわかんねえだろうなあ。でも、あのころのテレビって楽しかったなあ。
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